クライストチャーチに行ってきた
今まで一度も自力で海外に行ったことがなかったので、このへんで行っておかないと一生行かずに終わりそうだな、と思い。
ニュージーランドにした理由は、以前から何故かニュージーランドには行ってみたいと思っていたため。
クライストチャーチにした理由はなんとなく。そこそこ栄えていて治安が良くてバリアが少なそうな都市ならどこでも良かった。
ニュージーランドだとオークランドかクライストチャーチくらいしか選択肢にはならなかったとは思うが。
また、他の人に気を遣って行動するのが嫌だったので、旅程はツアーではなく自分で決めることにした。
脊損の車椅子ユーザーが単独で海外旅行した一例として、書き留めておく。
出発まで
パスポート
特に何事もなく取得することが出来た。
国際免許証
特に何事もなく取得することができた。
車がないと行動範囲が非常に狭くなってしまいそうだったので、レンタカーを借りる予定でいた。
手動運転装置
手動装置が無いと車が運転できないので、ニコドライブさんから以下の携帯用のものを購入した。
正直、これがあるから今回の旅行に行く気になれたと言っても過言では無い。 今回の旅行に限らず、今後いろんな場所を旅行する際に車を使うという選択肢ができた。ありがたい。
simカード
現地に行ってから手間取るのが嫌で、日本にいるうちから現地で使えるsimに入れ替えておきたかったのでAmazonでいろいろ探してみた結果、↓ が便利そうだったので購入した。
アジア・オセアニア各国でローミングで使えるsim。 日本も対象国に入っているので、日本にいるうちから端末に挿入後設定して動作確認し、ニュージーランドではそのまま使うことが出来た。 ニュージーランドに着いたタイミングで勝手に電波を拾ってくれて、タイムゾーンも勝手に切り替わってくれた。 道中とてもお世話になった。いい時代だ。
バッグ
メインのバッグには、このリュックを用意した。
またこれとは別に、常時携帯するための小さいリュックを使用した。 実際の道中では、以下のように大きい方を車椅子に、小さい方を背中に背負って移動した。
飛行機の予約
ニュージーランド航空の公式サイトから直接予約した。
予約する際、「車椅子利用者かどうか」だけではなく、
- 「ある程度は自足歩行が可能な車椅子利用者か」
- 「座席への移動は自力で可能な車椅子利用者か」
- 「完全な介助が必要で、介助者が同伴する車椅子利用者か」
など、様々な選択肢があることに強く好感を持てた。
ホテルの予約
チケット予約の完了後エアニュージーランドのサイト内から直接Expediaのリンクに飛ぶことができ、その中でフライトの予定に合致したホテルの候補が自動で表示されたように記憶している。
今回は、その中の候補から以下のホテルを予約した。
予約完了後、上記サイト内のフォームから車椅子利用者でも利用可能か訪ねたところ、利便性が良い部屋に無償で切り替えてくれるとのことだったのでお言葉に甘えた。 繁華街から歩いて10分ほどで利便性が良く、宿泊費はリーズナブルで、かつオーナー夫妻が親切で、とても良いホテルだった。ホテルと言うよりは、日本で言う「民宿」のような雰囲気かもしれない。
往路 (2018/11/3 - 2018/11/4)
行きの飛行機はだいたい2130に成田発。 家を出る前に、ニュージーランド航空の公式アプリ ↓
から、予めオンラインチェックインを済ませておいた。
このおかげで、成田ではパスポートを見せるだけで全ての手続きが済んだ。いい時代だ。
搭乗時間に搭乗ゲートあたりにいればスタッフ側から声をかけてくれるので、
必要なタイミングで機内用の車椅子に乗り換えればよしなに対応してくれた。
成田 → オークランドは2130(UTC+0900) - 1200(UTC+1300) 約11時間の長旅。
ニュージーランドは元々UTC+1200で、サマータイムが導入されているため更に1時間早まっている。
オークランド空港に到着後は、着陸後しばらく機内で待っていれば例によって空港のスタッフがよしなに対応してくれた。
飛行機から降りた後、クライストチャーチ便への乗り換えが必要だったため
国際線ターミナルから国内線ターミナルに移動後空港のスタッフにチケットを見せ、
「これに乗りたいんですがどうすればいいですか」 と尋ねたら、
「ややこしいんで案内しましょうか」とのことだったのでお言葉に甘えた。
1時間ほど待ち時間があったので、ニュージーランドに到着して初の食事↓ を摂ることにした。
自販機でもクレジットカードを使えるのがとても便利だった。使い方に少し癖があって道行く人に尋ねることになってしまったが。
1日目 (2018/11/4)
クライストチャーチ空港にて。
とても良い青空で、気温も快適。幸先いい。
時間的にもちょうどよかったので、予約していたレンタカーを受け取ることにした。
事前に指定されたところで待っていたらレンタカー会社のシャトルバスが迎えに来てくれた。
シャトルバスはバリアフリーではなかったため乗るのに結構苦労したが、乗り合わせた現地の老夫妻がいろいろと手助けしてくれた。
シャトルバスで移動中その夫妻と少し話す中で
「お手伝いいただきありがとうございました」と伝えたら、
「シャトルバスに乗るのは我々のミッションですね。ミッションコンプリート!」
と言って親指を立ててくれたので私も
「ミッションコンプリート!」
と言って親指を立てた。いい話だ。
その後、レンタカー会社の事務所で免許証と国際免許証を見せ、日産のTIIDAを借りた。
手動装置を装着すると↓こうなる。
車椅子は↓こんな感じで後部座席に積んだ。
約3.5日間、とても世話になった。
その後、ホテルに向かうまでの道のりで、上記の老夫妻に教えてもらったスーパーとそこに併設されているマクドナルドに寄る。
ニュージーランドオリジナルのKiwiバーガー + ポテト + ドリンクのセットで$12.30 (約1000円)。日本よりちょっと高い。サイズは日本とほぼ同じだった。
スーパーにはビール専用の売り場があり、様々な種類のビールが置いてあった。
ただ、手を入れずにアテになるようなものがほとんど無いのが難点だった。日本のコンビニは偉大。
ホテルでは、表玄関には階段があったので使えなかったが、裏玄関にはスロープがあり以下のようなドアに繋がっていた。
市内の到るところで入り口のドアに車椅子のステッカーが貼ってある建物を見かけたので、恐らく公共の建物ではバリアフリーな入り口を明示するのが義務か努力義務かになっているんだと思う。
部屋は↓ こんな感じ。1人で使うのは大変申し訳無い感じだった。
シャワーは↓こんな感じ。大変使いやすかった。
さすがに疲れていたので、シャワーを浴びてこの日はこれで就寝。
2日目 (2018/11/5)
この日はクライストチャーチ市内を散策することにした。
カンタベリー博物館の近くに車を停め付近をうろついていたら、原子模型で有名な↓ラザフォード関連の展示会が開催されていたので入ってみることにした。
ラザフォードはニュージーランド出身らしい。知らなかった。
で、そこの物販で買ったTシャツが↓ これ。
良い言葉だ。
その後、付近のカンタベリー博物館やら植物園やらを見て回りそろそろ次に行こうかと車に戻ってみたら ↓
駐車違反していた。路上駐車スペースの使い方を理解できていなかった。
何となく市内で車を使うのが怖くなったのでそのままホテルに戻り、
散歩がてら車椅子で新大聖堂を経由してカジノに向かう。
昼間だったのもあるとは思うが、初心者でも入りやすくて良いカジノだった。 ビギナーズラックを発揮し、ブラックジャックとルーレットで$50を$140に増やした。
カジノを出たら良い時間だったので、ホテルへの帰り道のレストランで食事。
↓ 美味しいと思いながら食べていたらまさかのパクチー入りの御飯。不意を突かれた。(パクチー苦手)
ホテルに戻ったら思いの外疲れていたので、シャワーを浴びてこの日はこれで就寝。
3日目 (2018/11/6)
起床後、まず市役所↓ で前日の駐車違反分の罰金を払う。
$40で異国の地で駐車違反の罰金を払うという稀有な体験をさせてもらえたと思えば安いものだ。
その後、クライストチャーチから車で片道約2時間ほどのハンマースプリングスというリゾート地に向かい、そこでバンジージャンプをした。 また、ハンマースプリングスに到着してからバンジージャンプの予約時間までに余裕があったので、ついでに付近の美容室で髪の毛を切った。
無事落下した。
ただ、道中で唯一、1人で寂しいと思った瞬間だった。
その後、来たときと同じ道でクライストチャーチに戻る。
久々の4時間の運転とハンマースプリングス内の移動でさすがに疲れていたので、シャワーを浴びてこの日はこれで就寝。
4日目 (2018/11/7)
前日の疲労のせいで12時間睡眠。起きたら昼過ぎだった。 翌日早朝に帰る予定で、遠出してなにかトラブルがあったら困るということで、この日は市内を散歩しつつお土産を買う日にした。
ホテルから出たタイミングでそういえばまだ見てなかったな、と旧大聖堂を見に行った。
大聖堂を後にし、気付いたら結構近かったので再びカジノへ。
再びブラックジャックとルーレットで今度は$70が$0になった。やはり2日前のはビギナーズラックだった。
この日は初めてテーブルに付くらしいにーちゃんが先輩のアドバイスを受けながらディーラーになっており、たどたどしい手捌きにほっこりした。
その後はタクシーでお土産屋の近くまで移動し、買い物を済ませた後ホテルに移動。
翌日朝早くに出発予定だったので、シャワーを浴びてこの日はこれで就寝。
復路 (2018/11/8)
レンタカー返却は5時、フライトは7時の予定だったので、早めの2時にホテルを出てまずレンタカーを返却。
レンタカーを返却後、来たときと同じシャトルバスで空港へ。こんな深夜の勤務お疲れ様です。
帰りはクライストチャーチ → オークランド → 成田 の、来たときとは逆の経路で日本に帰国。 乗り降りのタイミングでは、例によって空港のスタッフがよしなに対応してくれた。 クライストチャーチでの待ち時間に飲んだ「Paradise Passion」という飲み物がとても美味しかった。
そんなこんなで無事帰宅。帰宅後はシャワーを浴び、非常に中途半端な状態になっていたデトロイトをクリアして寝た。
おしまい。
感想
- ニュージーランドというお国柄なのか自分が車椅子に乗っているからなのかはわからないが、道中お世話になった方々は本当にみんな親切だった。
- 上記の親切さのおかげで、移動中に困ることは全く無かった。移動さえ自力で出来れば、少なくとも先進国の一人旅は怖くない。
- ニュージーランド国内では、大抵どこにも広いトイレ (確か Accessible Toilet という名称だった) があってトイレに困ることがなくありがたかった。
が、恐らくこれは観光客が行くようなところにしか行かなかったからだろう。 - 現地では楽しかったが、思い返してみると「まぁこんなもんか」というのが正直なところ。想像の域を出なかった、というか。旅行なんてそんなもんなんだろうか。それとも自分の楽しみ方が下手なだけだろうか。
- 3泊では少なかった & 3泊全部同じホテルなのは頭悪かった。4泊にして2泊ずつ別のホテルで、とかにすればよかった。これは次回以降に活かす。
愚痴
以下、出羽守になってしまうので苦手な人はスルーしてください。
成田に帰国後はANAのスタッフがいろいろ対応してくれたんだが、なんなんだあれは。
- ニュージーランド航空では飛行機を降りた直後に自分の車椅子に移乗できたのに、ANAでは搭乗口に移動してからでないと移乗できない
- これだけならまだしも、あとは移動して出場するだけという状態になり、もう何も手助けなどは不要なので、スタッフの方に「もうあとは大丈夫です。ありがとうございました。」と伝えたのに執拗に着いてこようとする。
- 「もう大丈夫です。着いてこないでください。」と3回くらい伝えても「進む方向が偶然同じになってしまっているので。」と返してきてやはり着いてこようとする。
- 仕方ないので途中でトイレに入って、用を足して外に出てみるとやはりまだいる。
- 「正直怖いです。もう着いてこないでください。」と強めに伝えてもやはりまだ着いてくる。
結局、預けた荷物を回収するまでずっと付いて回られた。
ニュージーランド航空では「自分で出来ます」と言えばあとは「OK!」で済んだのに。
ANAを利用するときっていつもこんな感じなんだろうか。 だとしたら二度と使いたくないんだが。